空き家を無償で譲る・もらう — 0円でもタダにはならない
「0円でいいから引き取ってほしい」も「0円なら試しに」も、どちらも増えています。ただし価格が0円でも、税金と毎年の負担は0円になりません。何がいくらかかるのかを先に並べてください。
もらう側:個人からもらうと贈与税
贈与税は、個人から贈与により財産を取得したときにかかる税金です。空き家を無償で譲り受ければ、価格が0円でも課税の対象になり得ます。
暦年課税では基礎控除額が110万円で、1年間に贈与を受けた財産の価額の合計額が110万円以下なら贈与税はかかりません。ただし不動産の評価額は110万円を超えることが多く、そこが分かれ目になります。申告と納税は、贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までの間です。
例示(可変値)。評価額と他の贈与の有無によって結果は変わります。
法人からもらう場合は税目が変わる
法人から贈与により財産を取得したときは、贈与税ではなく所得税がかかります。相手が個人か法人かで扱いが変わるので、誰から譲り受けるのかを最初に確認してください。
「1万円で売買」にしても逃げられない
贈与税を避けるために形だけ有償にする、という話がありますが、これは通りません。個人から著しく低い価額の対価で財産を譲り受けた場合には、その財産の時価と支払った対価との差額に相当する金額は、財産を譲渡した人から贈与により取得したものとみなされます。
ここでいう時価は、土地や借地権など、家屋や構築物などである場合には通常の取引価額に相当する金額です。著しく低い価額の対価であるかどうかは、個々の具体的事案に基づき判定することになります。
名義変更と取得のときにかかる税
所有権の移転登記には登録免許税がかかります。贈与その他無償名義による移転の税率は1,000分の20で、課税標準は不動産の価額(原則として固定資産課税台帳に登録された価格)です。相続による移転の1,000分の4と比べると5倍になります。
このほか、不動産を取得したときには不動産取得税(都道府県の税)もかかります。税率と住宅・土地の軽減措置は所在地の都道府県で確認してください。
例示(可変値)。適用される軽減措置によって実際の負担は変わります。
もらった後に毎年かかるもの
受け取った瞬間から、固定資産税・火災保険・草刈りや通いの交通費が毎年かかります。遠方であれば、見に行くだけで交通費と時間が出ていきます。
管理が行き届かない状態が続けば、管理不全空家等として指導・勧告の対象になり、勧告を受ければ土地の住宅用地特例が外れます。「0円でもらったのに毎年払い続ける」ことになりかねません。
譲る側が確認すること
譲る側の課税関係は、相手が個人か法人かで変わります。法人へ無償で渡す場合は扱いが異なるため、税理士に確認してください。
また、0円で手放す前に、その物件がいくらのものなのかを一度確認しておくことをおすすめします。「売れないと思っていたら値が付いた」も、「解体費のほうが土地の値段より高かった」も、どちらも実際に起きます。
自分の物件で試す
無料。その場で数字が出ます。
0円で手放す前に、相場と周辺データを住所だけで確認できます。
もらう側にとっては「引き受ける負債」の上限を知る材料になります。
よくある質問
- 空き家を無償でもらうと税金はかかりますか。
- 個人から贈与により財産を取得したときは贈与税がかかります。暦年課税の基礎控除額は110万円で、1年間に贈与を受けた財産の価額の合計額が110万円以下なら贈与税はかかりません。法人から取得したときは贈与税ではなく所得税がかかります。
- 贈与税を避けるために1万円で売買することはできますか。
- できません。個人から著しく低い価額の対価で財産を譲り受けた場合には、その財産の時価と支払った対価との差額に相当する金額が、譲渡した人から贈与により取得したものとみなされます。著しく低い価額かどうかは個々の具体的事案に基づき判定されます。
- 0円物件をもらうと、ほかに何がかかりますか。
- 名義変更の登録免許税(贈与その他無償名義による移転は1,000分の20)と、取得時の不動産取得税がかかります。その後は毎年、固定資産税・火災保険・管理の手間が続きます。
- 空き家を誰かに0円で譲りたいのですが、何から確認すべきですか。
- まず名義が現在の所有者に揃っているかを確認してください。相続で取得したまま登記していない場合は、相続登記が義務になっています。そのうえで、本当に0円が妥当かを相場と解体費の両面から確認することをおすすめします。
出典
制度の内容は 2026-08-06 時点で一次情報を確認したものです。適用の可否は個別の 事情で変わります。最終的な判断は所轄の税務署・自治体の窓口、または税理士・専門家へご確認ください。